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環境省の発表した内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)のリストにたくさん農薬が載っていましたが、それらの農薬には内分泌かく乱作用があるのでしょうか。
過去に農薬を含む内分泌かく乱物質がリストアップされましたが、検証実験により哺乳動物に対する作用を示さないことが報告されております。
環境中に存在する化学物質のうち、生物にホルモンのように作用したり、ホルモンの作用を阻害したりして、生殖機能阻害や悪性腫瘍等を引き起こすおそれがある物質を「内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)」と呼んでいます。環境省が発表した「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」には、内分泌かく乱作用をもつと疑われる化学物質として67(後に65に変更)物質(群)がリストアップされ、そのなかには農薬も含まれていました。そこで環境省はSPEED’98で示されたリストにある物質について、専門家による「内分泌撹乱化学物質問題検討会」を設け、緊急性が高いと考えられるものから評価した結果、いずれの物質にも哺乳動物を用いた試験で内分泌撹(かく)乱作用の証拠は見つからなかったことを報告しています。その後、環境省はSPEED’98の結果を踏まえて、引き続き野生生物の観察、環境中濃度の実態や暴露の把握、評価に必要な試験法の開発、リスク評価および管理や情報提供の推進、また国際的な連携の強化をしていく事業としてExTEND2005、EXTEND2010、EXTEND2016と改訂し継続しています
内分泌かく乱物質の評価に有用な試験法の開発
農薬は、毒性(繁殖性、催奇形性試験など人に係わる試験20項目)や残留性についての必要な試験がおこなわれ、安全性が確認されたものだけが農薬登録され使用できる仕組みになっています。ExTEND2005では内分泌かく乱物質を評価するために、生体を用いる生物試験法(in vivo試験)や生体を用いない試験管内試験法(in vitro試験)の開発、さらに魚類、両生類を用いた国際標準試験法の開発が推進されました。その後、EXTEND2010、EXTEND2016へとプロジェクトを継続させながら、人への影響だけでなく、生態系への影響も考えた安全性の評価、化学物質の管理をするための対応をおこなっています。
内分泌かく乱作用の有害影響を評価疑いのある化学物質をin vitroやin vivoでホルモン様作用もしくはホルモン阻害作用であるかのスクリーニング試験を行い、ホルモン様作用やホルモン阻害作用を持つことが疑われた物質について、次世代に影響を及ぼすかどうかの試験をおこないます。
農薬のなかには、in vitro試験ではホルモン用作用を示すが、種々のin vivo試験において動物に大量に動物に与えても、その動物にホルモン用作用が見られなかった結果も多く存在します。また、農産物における残留農薬については、動物に全く影響の無い量の1/100倍以上を安全域とした基準が設けられ、安全性の確認が行われています。こうした安全域でのごくわずかな量においては、人において内分泌かく乱作用がもたらされることはないとされています。
現在、世界的レベルで内分泌かく乱作用の試験方法や影響評価法について国際的標準化が進んでいます。今後、こうした研究が進展するなかで、農薬について新たな対応が必要になった場合は、当然、しかるべき対応がとられることになります。
(2022年3月)