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農薬の使用方法はどのようにして決められているのでしょうか。
農薬は、薬効や薬害、作物への残留性などを考慮して、安全、適正な使用方法が薬剤ごと、対象作物ごとに登録時に決められます。
たとえば、作物への残留については、対象の農作物ごとに実際に農薬を使用し、使用濃度、使用液量、使用時期、または使用回数別に収穫された作物への残留量を調べています。残留濃度が、食品衛生法に基づいて定められた農薬の残留基準を超えないように、使用量と使用法を決めるという仕組みになっています。もちろん、その使用量と使用法により防除効果があり、また作物への薬害が出ないことが前提となっています。また、周辺環境への影響などさまざまの要素も考慮されています。
製品ラベルに記載されている農薬の使用方法の例
下表は、架空の殺菌剤「アイウエオ水和剤」(有効成分:A・・・20.0%、B・・・10.0%)について、ラベルに記載されている使用方法を例示したものです。「かんきつ(柑橘)」で黒点病を防除するためには、希釈倍数が「2,000倍」で、500Lの散布液を調製する場合には、250g(500L÷2000倍、水和剤の場合は1L=1000gと考える)の製剤が必要となります。また、使用時期が「収穫7日前まで」と記載されている場合、かんきつ園に温州みかんや甘夏など、収穫時期が違う品種が栽培されている場合は注意が必要です。
また、かんきつには、「本剤の使用回数」として「3回以内」が示されていますが、このほかにもこの混合剤に含まれる2つの有効成分(AとB)の総使用回数がそれぞれに示されています。アイウエオ水和剤を使用する場合には、これらの表示内容に十分に注意し、収穫までの散布回数が製品の含有成分それぞれにおいても総使用回数を超えることがないように留意しなければなりません。
アイウエオ水和剤(有効成分:A・・・20.0%、B・・・10.0%)
作物名 | 適用 病害名 |
希釈 倍数 |
10アール当りの使用液量 | 使用 時期 |
本剤の 使用 回数 |
使用 方法 |
Aを含む 農薬の 総使用回数 |
Bを含む 農薬の 総使用回数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
かんきつ | 黒点病 | 2,000倍 | 200~700L | 収穫 7日前まで |
3回以内 | 散布 | 3回以内 | 4回以内 |
そうか病 | 1,000倍 | |||||||
ぶどう(施設栽培) | べと病 褐斑病 |
1,000倍 | 開花前まで | 2回以内 | 2回以内 | 2回以内 | ||
茶 | 炭そ病 | 1,000倍 | 200~400L | 摘採 3日前まで |
1回 | 2回以内 | 1回 |
農薬使用基準の遵守を罰則付きで義務化
農薬を定められた方法で適正に使用することは、農作物を病害虫・雑草から守ることだけではなく、人の健康や環境への安全を守るためにも非常に重要です。そうしたことから農薬使用者が遵守しなければならない責務や、取り組むように努める事項について法律※1で定められている決まりがあります。これらは「農薬使用基準」と呼ばれています。なお、この基準に対して違反があった場合には、罰則※2が定められています。
農薬の使用においては、ラベルに記載されている事項を遵守することが基本中の基本です。食用作物(飼料作物を含む)での農薬使用においては、下に記した1~4の違反は重大な過失として農薬取締法の罰則の対象になります。また、収穫物における農薬の残留が残留基準値を超える恐れもあり、基準値を超えた場合には、食品衛生法違反になり生産物の出荷停止や回収が必要となります。
また、「航空散布」および「ゴルフ場」での使用、および、「くん蒸」(但し、自ら栽培する農作物等にくん蒸により農薬を使用する者を除く)については、毎年度、使用者は「農薬使用計画書」を農林水産大臣(ゴルフ場の場合には環境大臣にも)に提出することが義務づけられています。
このほかにも農薬使用基準においては、農薬使用者が安全使用に配慮する上で次のような事項に努めることを求めています。
ア)農薬使用の内容を記帳する。
イ)有効期限切れの農薬を使用しない。
ウ)航空散布や住宅地周辺での散布では、農薬が飛散しないように必要な措置を講じる。
エ)水田で使用する場合は、農薬が流出しないように必要な措置を講じる(止水期間等を守る)。
オ)被覆を要する農薬(土壌くん蒸剤)を使用する場合は、揮散防止に努める。
ア)については、花・芝・樹木などの非食用農産物の農薬使用者も含め、すべての農薬使用者は、(1)年月日、(2)場所、(3)農作物名、(4)農薬の種類または名称、最終有効年月、(5)単位当たりの使用量または希釈倍数などについて記帳するように努める必要があります。近年は食の安全・安心から消費者からも「トレーサビリティー(生産履歴の遡及・確認性)を求める声が高まっており、生産現場においても漏れなく農薬使用の記録を付けることが徹底されてきています。
(注)
(2021年1月)